賃貸物件でペットを飼うと修繕費用が高額になる、原状回復についてトラブルが起きやすいと聞いたことがあるでしょう。
しかしペットとの暮らしは幸せなものですし、常に修繕のことを考えていては賃貸物件とはいえ、自宅でゆっくりすることもできません。
そこで賃貸物件でもペットと快適に暮らせるようにペット可賃貸の原状回復について解説します。
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原状回復とは元に戻すという意味です。
入居前と退去時の部屋の様子を比べて、入居中に汚してしまったり、傷つけてしまった部分に対しては修復をおこなわなければなりません。
賃貸物件で退去時に原状回復する定義には2種類あり、1つめは経年劣化や通常の使用による消耗です。
2つめは借主の故意、または過失による通常の使用の範囲を超えるような消耗や損傷に関するものです。
1つめの場合では、壁に掲示物を貼ったときにできる画びょうの跡や、テレビや冷蔵庫の裏にできる電気焼けの黒ずみ、家具を置いていた場所にできる床のへこみなど、通常生活していればできてしまうものです。
これは基本的に貸主が負担することになっていて、借主が修繕費を請求されることはありません。
ペット可賃貸の場合では、2つ目の事項について高額な請求を受けることがあります。
元からペットを飼うことを認めている物件のため、一般的なクリーニングによって除去できるにおいや、ある程度の壁や床の傷も通常消耗として判断されることが多いです。
しかし、飼い主が思っているよりもペットによるにおいは染みついているものですし、爪による床や柱へのひっかき傷など、損傷の度合いが通常の範囲を超えていると判断される事案も少なくありません。
さらに高額請求となるおそれがある事例をご紹介します。
柱やドアをかじってしまった場合や、柱や床で爪とぎをした場合は損傷個所の修繕、床の張り替え工事が必要となります。
一か所だけの補修といった部分的なものであれば高額になるといったことは考えにくいですが、何か所もあったり、傷が深いと高額請求となってしまうでしょう。
壁に大きな傷を作ってしまった場合も高額請求になるかもしれません。
クロスの小さな傷はクリーニングや軽い修復が可能で、クロスが破れている箇所も張り替えれば済みます。
しかし大きな傷の場合、クロスよりさらに下の石膏ボードなどの下地にまで影響があることがあります。
下地が傷ついているとなれば、次に入居する方は快適に暮らすことができないおそれがあるため、取り換え作業が必要です。
よくある事ではにおいのもんだいではないでしょうか。
基本的な世話の仕方で、排泄物やペットのトイレの処理をおこなっていれば、においもそこまで染みつくことはなく、通常のクリーニングで対応することができます。
しかし処理や掃除が十分にされていなかった場合や、ペットの粗相を放置していたりすると部屋全体ににおいが染みついてしまうことがあります。
ここまでになるとクリーニングでは対処できないので、こちらもクロスや床、天井の張り替えが必要になるのです。
ご紹介した事例もふくめ、通常の消耗との線引きが難しくトラブルに発展しやすいです。
ペット可賃貸で確認しておきたいペットの原状回復特約とは
ペット可賃貸の契約で注意したおきたいのはペットの原状回復特約です。
先ほど解説したとおり、ペットを飼っている賃貸物件では通常消耗との明確な線引きが難しく、貸主や借主の主観で判断されがちです。
そこでペット可賃貸において、契約書に記載されていることが多いのがペットの原状回復特約です。
主な内容としては、ペットの過失によって付いた損傷は、基本的に借主が全額負担して原状回復をおこなうというものです。
ペット飼育での原状回復特約に関する裁判例を見てみましょう。
裁判ではペット消毒特約にはペット消毒については借主が費用を負担し、作業は専門業者に依頼することと記載されていました。
これに関しての判決は、ペットの飼育には、においや毛の残りなど衛生の問題があり、その消毒のための特約をすることは合理的で有効であるとして、クリーニング代5万円を借主が支払うことになりました。
また美装工事の費用負担についての裁判でも同じように、においや毛が残ること、ノミの発生が考えられるなどペットの飼育特有の衛生上の問題が発生することが考慮されます。
そのため借主に工事費用のうち一定割合の負担は合理的であるとして、猫の飼育による脱臭処理費25000円を支払う判決が下されています。
裁判でもこうした結果になっていますが、特約が付いているからといってすぐに借主に請求されるというわけではありません。
特約が認められるには、契約書に借主が負担する修繕費用の内容や範囲が具体的に明記されていること、その特約に同意していることが必要となります。
さらに借主に著しく不利な条件の特約は無効となることもあるでしょう。
どんなにきれいに使用していたとしても、原状回復は借主が負担するといわれてしまうと、納得できない方もいらっしゃるでしょう。
ペット可賃貸の契約を結ぶときにはペットに関する特約が含まれているか、またその内容は不利なものではないか、了承できる範囲なのかをしっかりと確認しておくことが重要です。
ペット不可物件でペットを飼った場合の原状回復は
近年のペットブームや入居後にペットを飼いたいと思って、ペット不可物件でペットを飼ってしまう方が増えています。
なかにはマナーが悪く退去後の清掃の時に明らかになった場合もあるのです。
あってはならないことですが、不可だといわれているのに飼育していた場合、退去時の原状回復はどうなるのでしょうか。
原状回復の費用については、国土交通省が原状回復のガイドラインを公表しており、基本的にはそれに基づいてルールが決められています。
ペット可物件については特約がありますが、不可物件については特約もなく、トラブルに発展する可能性が非常に高いです。
実際に起こった事例から解説します。
敷金11万円、家賃55000円のペット不可物件で、2年3か月住んでいた方がペットを飼っていたことを黙っていてそのまま退去しました。
退去後ペットを飼っていたことを知った貸主は、ペット禁止事項違反として畳や床の原状回復費用約38万円から敷金を差し引いた約27万円を請求します。
しかし借主は、ペット禁止事項違反とした場合でも、畳や床材の経年劣化分が考慮されるとして請求された金額は不当だと通知しました。
この場合で考えられる結果は、借主の言い分は通らない可能性が高いです。
なぜなら、そもそもペット禁止事項がある物件でペットを飼育していたこと自体が違反となっているからです。
これにより借主にかかる原状回復費には経年劣化の考えは考慮はされず、畳や床材の張り替え、消臭のクリーニングなどにかかる費用は全額借主の負担となることが予想できます。
このように、ペット不可物件でペットを飼育することは、大きなトラブルに発展してしまう可能性があります。
こういったトラブルを起こさないためにも、ペット不可物件ではペットを飼わないなど、物件のルールには必ず従うようにしましょう。
まとめ
しつけをきちんとおこなう、爪は短く切るなど対策はあるものの、ペット特有の損傷は起こりやすいと考えられます。
またペット不可物件でペットを飼うことはもってのほかです。
賃貸物件でペットを買うことを考えている方は、こちらを参考にしてトラブルとならないように注意しながら、ペットとの素敵な時間を過ごしましょう。
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