2017年からスタートした「住宅セーフティネット制度」とは、住宅確保要配慮者を入居者として受け入れている賃貸物件のオーナーに対し、国や自治体から一戸に付き月額最大4万円の補助金が直接支給される制度です。
住宅確保要配慮者とは、低額所得者や高齢者、子育て世帯、障害者や被災者などの、賃貸住宅に入居したくても、家賃の支払能力がないために入居が難しい人たちのことを指しています。
今までは住宅確保要配慮者の受け入れを公営住宅が担ってきましたが、財政難や人口減を理由に再整備を断念する自治体も多く、その代替の制度としてスタートさせたのです。
空室対策につながる住宅セーフティネット制度導入の流れ
空室対策で制度利用を希望する大家さんは、まずは国が運営する「セーフティネット住宅情報提供システム」のサイトから、登録申請の手続きを行いましょう。
住宅セーフティネット制度を適用するためには、所持している物件が制度が要求する基準を満たしている必要があります。
その基準とは、床面積が25㎡以上、建築基準法や消防法違反がなく、一定の耐震性能を有していること、設定する家賃が近隣物件と比べて高すぎないことなどです。
これは地方公共団体によって強化または緩和される可能性がありますので、詳しくは自治体に確認すると良いでしょう。
また登録の際には、入居してもらう住宅確保要配慮者の範囲を限定することができ、「高齢者と低額所得者の入居は拒まない」といった設定も可能です。
空室対策可能な住宅セーフティネット制度の支援内容
賃貸住宅を登録すると、物件を改修するための費用の補助と、家賃を低廉化するための補助金を受け取ることができます。
物件の改修には、最大で100万円までの補助を受けることが可能です。
大家さんは、近隣の賃貸住宅の家賃相場では難しい住宅確保要配慮者でも入居できるように、家賃を下げる必要があります。
その結果、生ずる家賃相場との差額の補助を、国から受けることができるという仕組みです。
また、国は住宅確保要配慮者に部屋探しのための情報提供を行ったり、入居後の見守りや生活支援のフォローを行える体勢を整えているので、安心して住宅確保要配慮者を受け入れることができるでしょう。
まとめ
空室対策を考える大家さんにとっての最大のメリットは、1981年(昭和56年)からの、新耐震基準を満たす物件であれば、セーフティネット制度を活用できることです。
築30年が経過し、周りと比較して競争力が低下してしまっている物件であっても、空室対策に有効な住宅セーフティネット制度を活用すれば、安定した家賃収入を得ることが可能になります。
もしも高齢者向けのリフォームを検討されているのであれば、この制度を使えば改修費補助も受けることができますので、この制度を使うメリットは大きいでしょう。
登録手続きには時間と費用がかかることと、管理する建物全体を住宅確保要配慮者専用として10年間以上管理しなければならないデメリットもありますが、空室対策が可能になるメリットの大きさと比較して、導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
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