■ はじめに:敷金とは?
賃貸契約をする際に必ずといっていいほど登場するのが「敷金」。
初めてお部屋を借りる方にとって、「これは何のお金?」「戻ってくるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
敷金とは、借主(入居者)が家賃を滞納したり、退去時に部屋を汚したり破損させた場合に備えて、貸主(オーナー)へ預けるお金のことです。
つまり「保証金」のような性質を持つお金です。
■ 敷金の役割と使われ方
敷金には主に2つの目的があります。
家賃滞納時の補填
借主が家賃を支払えなくなった場合に、敷金から補填されます。
原状回復費用の精算
入居者が退去する際、部屋を入居時の状態に戻すための費用(壁紙の汚れ、床の傷など)を敷金から差し引くことがあります。
つまり、敷金は**「入居中のトラブルや退去時の修繕費に備えるお金」**なのです。
■ 敷金はどのくらい払うの?
福岡市内の賃貸物件の場合、敷金は家賃1~2ヶ月分が相場です。
ただし最近は、「敷金ゼロ物件」も増えており、初期費用を抑えたい方に人気です。
例:
家賃6万円の場合 → 敷金6万円〜12万円程度
※敷金ゼロ物件でも、退去時に「クリーニング費」や「修繕費」が別途請求されるケースがあります。契約前に必ず確認しましょう。
■ 敷金と礼金の違い
混同されがちな「礼金」との違いも押さえておきましょう。
項目 敷金 礼金
意味 預けるお金(保証金) お礼として支払うお金
返金 基本的に返ってくる 返ってこない
使い道 滞納・原状回復の補填 オーナーへの謝礼
敷金は「戻ってくる可能性があるお金」、礼金は「戻らないお金」と覚えておくと簡単です。
■ 敷金が返ってくる条件
「敷金は全額返ってくるの?」と気になる方も多いですが、返金には条件があります。
敷金が全額返ってくるのは、以下のような場合です。
家賃滞納がない
部屋の使用状態が良い(原状回復費が不要)
契約満了・トラブルなしで退去
逆に、以下のような場合は一部が差し引かれます。
壁や床に大きな傷・汚れがある
禁煙物件でタバコのヤニ汚れ
ペット飼育可物件での臭いや爪痕
家賃未払い・未返却物の発生
■ 原状回復ってどこまでが自費?
国土交通省が定めた「原状回復ガイドライン」によると、
通常の生活で生じた劣化(経年劣化)は貸主負担、明らかな過失や損傷は借主負担とされています。
具体例:
経年劣化 → 貸主負担(壁紙の日焼け、家具跡など)
過失・汚損 → 借主負担(飲み物のシミ、タバコの焦げ跡など)
契約時に「ハウスクリーニング代」や「退去時精算あり」といった条項がある場合は、敷金から自動的に差し引かれるケースが多いです。
■ 敷金ゼロ物件の注意点
「敷金ゼロ」は魅力的に見えますが、実は注意が必要です。
退去時に清掃費・修繕費が全額請求されるケースあり
家賃保証会社の利用が必須なことが多い
「敷金ナシ」でも「クリーニング費用先払い」などの名目で初期費用が発生
つまり、「初期費用が安く見えるが、退去時に高くつく可能性がある」点を理解しておくことが重要です。
■ 敷金をめぐるトラブルを防ぐために
敷金返還トラブルは全国的にも多く、福岡でも相談が多い項目です。
トラブルを防ぐためには、以下を意識しましょう。
入居前に写真を撮っておく
→ 壁や床、キッチンなどの状態を証拠として残す。
退去時立ち合いの際は記録を取る
→ 担当者の説明内容をメモしておく。
契約書の「敷金精算条項」を確認する
→ 「クリーニング費○円」「実費精算」などの文言を事前に把握。
■ 敷金をうまく活用するためのポイント
できるだけきれいに使うこと
退去前に簡単な掃除をしておく
トラブルになりそうな箇所は事前に報告
これらを心がけるだけでも、敷金が戻ってくる可能性は格段に上がります。
■ まとめ:敷金は「安心のための預け金」
敷金は「取られるお金」ではなく、安心して部屋を借りるための一時的な預け金です。
入居者もオーナーもお互いに安心できる契約を結ぶための大切な仕組みです。
初めてのお部屋探しでは、金額だけでなく契約内容や精算方法もきちんと確認しましょう。
福岡でのお部屋探し・ご相談は【栄信不動産】までお気軽にどうぞ!