はじめに
お部屋を退去する際に「清掃料」「原状回復費用」という言葉を耳にしたことがある方は多いでしょう。
しかし、実際にどこまでの費用が発生するのか、また何が「原状回復」にあたるのか、明確に理解している方は意外と少ないものです。
福岡市をはじめとした九州エリアでは、契約書の特約部分に退去時清掃料の金額が明記されているケースが多く見られます。この記事では、入居者の立場から「退去時の清掃料・原状回復費用」について詳しく解説します。
1. 原状回復とは?
原状回復とは、入居前の状態に部屋を戻すことを指します。
ただし、経年劣化や通常の使用による汚れ・傷まで元に戻す必要はありません。
原状回復の対象になるもの
・壁紙にできた目立つ穴や落書き
・タバコのヤニ汚れや臭い
・ペットによるキズや汚損
・設備を故意・過失で壊してしまった場合
原状回復の対象外となるもの
・日焼けによるクロスの色あせ
・冷蔵庫の後ろの壁の黒ずみ
・家具の設置跡
これらは「通常使用による劣化」とみなされ、借主が負担する必要はありません。
2. 退去時清掃料とは?
福岡では、多くの賃貸契約で退去時清掃料が特約に明記されています。
この費用は「部屋を専門業者がクリーニングするための料金」であり、入居者の過失に関わらず一律で請求されるケースがほとんどです。
金額の目安(福岡市内の例)
間取り 清掃料の目安
1R・1K 約3~5万円
1LDK~2LDK 家賃1ヶ月分程度
ファミリータイプ(3LDK以上) 7~10万円前後
これらは地域や管理会社によって多少前後しますが、福岡市内の一般的な相場として参考になります。
3. 「清掃料」と「原状回復費用」は別物
退去時によく混同されがちですが、清掃料と原状回復費用は別のものです。
清掃料:契約時にあらかじめ定められた「ハウスクリーニング代」
原状回復費用:入居中の過失・損傷がある場合に発生する追加費用
たとえば「壁に穴をあけた」「床に焦げ跡をつけた」などがあれば、清掃料とは別に原状回復費が請求されます。
4. 特約に明記されている場合の注意点
契約書の特約部分に「退去時清掃料○○円」や「ハウスクリーニング費用○○円」と記載されている場合、その金額を支払う義務があります。
契約前に以下の点をチェックしましょう。
✅確認すべきポイント
・清掃料・原状回復費用の金額
・「実費精算」ではなく「定額」となっているか
・エアコン洗浄やワックスがけ費用が含まれているか
明記されていれば、退去時のトラブルを防ぐことができます。
5. 退去前にできる節約ポイント
退去時の費用を抑えるには、日常的なケアと退去前のひと工夫が大切です。
日常的な心がけ
・タバコは室内で吸わない
・ペットは規約に沿って飼育
・水回りのカビはこまめに掃除
・換気を習慣づける
退去前にできること
・簡単な掃除を自分で行う
・家具の跡をなるべく残さない
・不要な穴や傷は修復しておく
これだけでも、追加請求のリスクを大幅に減らせます。
6. よくあるトラブル事例
退去時にトラブルが起きるケースは少なくありません。
❌よくある例
・契約時に清掃料を知らなかった
・明細がなく高額請求された
・経年劣化なのに修繕費を請求された
トラブルを避けるためには、契約前の確認と退去時の写真記録が有効です。
退去立会いの際には、納得のいかない請求があれば説明を求める権利があります。
7. 福岡での実情とアドバイス
福岡では、ほとんどの賃貸で「退去時清掃料の特約」が一般的です。
1R・1Kでは3~5万円、1LDK以上は家賃1ヶ月分ほどといった形で設定されています。
このように定額制であらかじめ明示されていることが多いため、「退去時に揉めることが少ない」というメリットがあります。
ただし、壁紙の汚損や床の傷など、過失がある場合は別途費用が発生します。
8. まとめ
退去時の清掃料・原状回復費用は、「契約書の特約内容」がすべての基準となります。
特約に明記されていれば、その金額を支払うことが前提です。
一方で、経年劣化や通常使用による汚れについては負担の必要はありません。
ポイントまとめ
福岡では退去時清掃料の明記が一般的
1R・1Kは3~5万円、1LDK以上は家賃1ヶ月分が目安
清掃料と原状回復費は別物
契約前に特約欄を必ず確認する